稲姫(1573~1620)

cv大本眞基子(青二プロダクション)
 
使用武器:
 
長弓
 
大梓弓
 
都城大弓
 
与一弓滋藤
 
天之麻迦古弓
 
清麗天弓愛染
 
一人称:私(わたし)
 
本多忠勝の娘。
徳川家康に養女として迎えられ、
のちに真田信之に嫁ぐ。
関ヶ原前夜、
敵方についた真田昌幸と真田幸村が、
彼女が留守を預かる沼田城へ立ち寄った際、
その入城を毅然と拒んだように気高い女性であった。
一方で、
関ヶ原後は配流させられた幸村らに仕送りするなど、
細やかな心遣いも持っている。
 
 

「シナリオ集」

 
1「金ヶ崎撤退戦」(1570)
 
オープニング“弓を引く意味”
 
忠勝
「稲、なぜ戦う?」
稲姫
「愚問です父上。
 無論、泰平の世のため」
忠勝
「戦っていては泰平は来ぬぞ?
 戦いの果てが見定められぬ者。
 戦いの果てに何も持たぬ者。
 いずれも、いくさ場に立つ資格はない」
稲姫
「ですから、私は戦います。
 戦いの中で、その何かを、見つけるために」
 
徳川家康
「血気にはやるな! 退却を第一に考えよ!」
秀吉
「敵に囲まれてまったわ・・・・・・こりゃあ突破せんと!」
徳川家康
「秀吉殿を助け、朝倉軍を挟み込め!」
忠勝
「稲、羽柴軍は任せた。我らは朝倉へ当たる!」
秀吉
「家康殿に合流するんじゃあ! 南へ向かうで!」
忠勝
「朝倉を押し返す! 皆の者、続け!」
孫市
「美しい姫、この戦、あなたのために勝利するぜ」
稲姫
「はぁ・・・・・・御武運を・・・・・・」
 
稲姫
「好き勝手にはさせない!
 朝倉は退いたみたい・・・・・・今のうちに!」
浅井長政
「遅れたか・・・・・・だが、まだ間に合う! 全軍突撃!」
稲姫
「父上、退路に敵が!」
忠勝
「戦場にて道を拓くは、ただ武のみ! 参るぞ!」
稲姫
「はい!」
慶次
「ぃよう! やってるねー! 俺も混ぜてくれよ!」
稲姫
「姫様、お退きください。戦場というのは・・・・・・
 あなたのような高貴な方の来る所ではありません」
お市
「む・・・・・・自分だって姫のくせに・・・・・・」
慶次
「ほう・・・・・・こりゃまたいい面構えだねえ」
稲姫
「慶次様! 戦の只中でそのような世辞を・・・・・・」
慶次
「・・・・・・いや、そういう意味で言ったんじゃないんだが」
徳川家康
「敵が退いたぞ! この機を逃すな!」
秀吉
「急ぎ京へと戻るんじゃ! 駆けろー!」
 
 
2「三方ヶ原の戦い」(1572)
 
稲姫らの働きにより、信長は窮地を脱した。
 
徳川軍は態勢を立て直すため三河に戻った。
 
一方、戦国の巨獣・武田信玄がこの間隙を
縫って、上洛を果たさんと動き出す。
 
武田軍は破竹の勢いで南下、徳川の領地に
迫るのだった。
 
「真田、武田、そして戦乱。
 私は、何も恐れません!
 手加減無用、参ります!」
 
忠勝
「稲、これは負け戦よ」
稲姫
「父上! 何をそのように弱気な・・・・・・」
忠勝
「機を見極めよと申しておる
 機を見極めること、必ずや己が身を救うであろう」
信玄
「家康よ。おことのお手並み、見せてもらおうか」
石川数正
「お、おのれ! ふざけおって!」
徳川家康
「こら、待たぬか! 止まれ!
 主君も未熟なれば、家臣もまた・・・・・・か・・・・・・」
信玄
「ふふふ・・・・・・家康よ、おことも中々にやるのう
 じゃがな、もう手遅れというやつよ
 鶴翼の陣・・・・・・か。その姿、鶴が翼を広げたるが如し
 では、これでどうじゃ? 全軍、魚鱗陣を敷け!」
忠勝
「稲・・・・・・」
稲姫
「ここが勝機、ですね?」
忠勝
「勝ちを得るは今をおいてなし。参るぞ!」
徳川家康
「今が好機! 半蔵、信玄の首を獲れ!」
半蔵
「・・・・・・承知」
幸村
「妙だな・・・・・・何故、あのような門を
 あの方角・・・・・・まずい!」
稲姫
「気づかれたの? さすがは真田殿ね・・・・・・
 真田幸村様とお見受けいたします!
 噂に高き槍さばき、見せていただきます!」
幸村
「そなたこそ、あの本多忠勝の娘御であろう
 父の名を汚さぬ武、見せられよ!
 父の名に恥じぬ戦振り、見事! 退かせていただく」
稲姫
「誉めてくれるのは嬉しいけど・・・・・・父上のこと
 私のことは見てくれないのね・・・・・・もう・・・・・・」
半蔵
「滅!」
信玄
「何者ッ!」
 
イベントムービー“巨星墜つ”
 
信玄
「乱波、め・・・・・・ぐっ」
半蔵
「・・・・・・滅却」
幸村
「お館様!」
信玄
「信玄死すと聞けば、敵は勢いづこう
 我が死は、隠せ。これからは・・・・・・
 ゆ・・・・・・きむら・・・・・・手を・・・・・・
 信玄の志・・・・・・確かに渡した・・・・・・ぞ」
 
半蔵
「信玄は滅した・・・・・・今が、好機なり」
徳川家康
「何だと!? よし、全軍反転せよ!
 信玄無き武田軍など、恐るに足りん!
 武田軍をこの地から追い払え!」
くのいち
「にゃはは~、やってくれるじゃない?
 お館様の仇、とらせてもらうよん♪」
稲姫
「忍び? 家康様を狙う気なの?」
くのいち
「ありゃ? アンタ、臭うね。血の臭いがプンプン」
稲姫
「無礼な! この戦は、天下泰平のため・・・・・・」
くのいち
「へー、天下泰平のために、戦っちゃうんだ!
 やっぱり、戦いのドキドキが大好きなんだよね?
 同類だよ。アタシもいなちんもいなちんの父上も」
稲姫
「違う・・・・・・違う!」
徳川家康
「この戦、これでよしとせねばなるまい・・・・・・」
 
 
3「神君伊賀越え」(1582)
 
徳川軍は三方ヶ原で敗戦するも、稲姫らの
活躍により、窮地を逃れた。
 
数年後、堺見物中の家康に急報が
告げられる。
 
明智光秀、本能寺で信長を討つ、と。
 
光秀は一挙に家康も討たんと、軍を進発。
家康は、伊賀越えで本国・三河を
目指すこととした。
 
「裏切り、復讐、そんな乱世。
 私は、決して負けません!
 手加減無用、参ります!」
 
ムービー
 
徳川軍兵士
『殿が三方ヶ原を抜けられたぞ!
 退け!』
武田軍兵士
『くらえ!』
くのいち
『ほり。泰平のためとか言ってないで、
 ぶっちゃけちゃってよぉ』
稲姫
『ああっ!?』
くのいち
『アンタ級の実力も、
 腐って埋もれるしかないんだってば。
 ねー、怖いでしょ?』
稲姫
『ち、が・・・・・・っ!』
くのいち
『そう。アンタは乱世の虜。
 ドキドキする。だから戦ってる』
稲姫
『違う! 泰平に埋もれるのは怖い。
 けれど、私はそれを恐れません!』
くのいち
『アンタ素直じゃないね~』
忠勝
「良いか。これは退き戦。
 血に酔うな! 必ず戦に溺れるな!」
稲姫
「はい!
 戦に溺れるのは、心が乱世に負けた証。
 父上と共にあれば、惑うことなどありません!」
忠勝
「とあっ!」
稲姫
「はっ!」
 
徳川家康
「一刻も早く三河へ帰らねば」
穴山梅雪
「徳川殿、わしは別の道を行かせてもらえぬか?
 わしは・・・・・・巻き込まれとうないのだ。すまぬ」
徳川家康
「承知いたした・・・・・・が、おひとりでは危い
 せめて伴をお付けいたそう。稲、穴山殿を頼んだぞ
 道案内は任せたぞ」
半蔵
「・・・・・・承知」
稲姫
「しまった! 穴山様、私の傍へ!
 これでは、この先もきっと何かあるのでしょうね
 穴山様、決して気を抜かれぬよう・・・・・・」
穴山梅雪
「しょ、承知した・・・・・・」
徳川家康
「全ての同志と共に三河の地を踏もうではないか」
忠勝
「稲、勝ち気にはやるな。これは退き戦ぞ」
稲姫
「殿が無事に退きおおせるが第一。わかっております」
忠勝
「ならばよい。必ず戦に心奪われるな!」
 
足軽
「家康だー! 家康がいるぞー!」
穴山梅雪
「ひ、人違いだ! わしは徳川殿ではない!」
稲姫
「私が穴山様を守り通してみせます!」
細川藤孝
「明智に天下をつかませるか・・・・・・」
稲姫
「でも殿と間違えるなんて・・・・・・ねえ穴山様?」
筒井順慶
「明智の天下・・・・・・それも面白かろう」
徳川家康
「これは・・・・・・閉じ込められたか!」
孫市
「今日の雑賀衆の獲物は、狸ってわけか・・・・・・
 獲物が罠にはまったな。雑賀衆、狩りの時間だ!
 またお会いしましたね、姫
 ここは危険だ。さぁ、こちらへ・・・・・・」
稲姫
「ここが危険なのは、あなたのせいでしょう?」
孫市
「やれやれ、そんなんじゃ嫁の貰い手がなくなるぜ?」
稲姫
「お、大きなお世話です!」
徳川家康
「全軍、引き上げろ! 犬死するな!」
光秀
「追いつきましたよ、家康殿
 天下泰平のため、あなたの道、ここで断つ!」
半蔵
「運命・・・・・・」
忠勝
「殿が拙者より先に死ぬことなど、ありえぬ」
徳川家康
「では、わしも参ろうか・・・・・・」
 
 
4A「小牧長久手の戦い」(1584)
 
徳川軍は明智軍の急襲を逃れ、
三河に脱した。
 
だがその間に羽柴秀吉が光秀を征討。
天下人に名乗りを挙げた。
 
これをよしとせぬ家康は、信長の次子・
信雄を擁して挙兵した。
 
徳川家康、羽柴秀吉、両雄の天下をかけた
戦いがここに始まったのである。
 
「勝利、天下、平和な日々。
 私は、どれも手にしたい。
 手加減無用、参ります!」
 
徳川家康
「我軍は寡兵。されど、野戦ならば勝ち目はある
 全軍我が下知に従い、秀吉を打ち倒すのだ!」
稲姫
「誰かの未来を守り、築くために・・・・・・
 悔いのない日々を送る・・・・・・それ自体が戦い、なのね」
忠勝
「この戦、要所は小牧城
 機先を制し、小牧を得れば優位に立てましょう」
徳川家康
「うむ。秀吉が送る後詰も叩かねばなるまい」
秀吉
「小牧に兵を置いとらんだとぉ?
 急いで後詰を送るんさ! 徳川は動いとるで」
忠勝
「稲、小牧を攻めよ。挟撃するぞ!」
池田恒興
「秀吉殿、家康は小牧におる。ならば本陣は手薄・・・・・・
 わしに軍を預けてくれぬか。本陣を突いてみせよう」
徳川家康
「よし! 本陣を小牧に移すぞ!」
忠勝
「あの長塁、やすやすと手出しはできぬな・・・・・・」
稲姫
「父上、お任せください。私に策がございます」
忠勝
「稲! 正面からでは敵に悟られる
 東の間道より敵本陣をつくのだ」
稲姫
「こんな枯れ木、壊して通ります!
 ・・・・・・ちょっと、はしたないかな・・・・・・
 火薬の匂い・・・・・・? 何か足下に罠があるみたいね
 秀吉殿、天下泰平のため、お覚悟願います!」
秀吉
「陣などくれてやる! 決戦じゃ! 力押しじゃあ!」
半蔵
「羽柴に動き、あり・・・・・・」
稲姫
「ただでは陣を渡さない、ってわけね」
酒井忠次
「ここを通るのは拙者を倒してからにしてもらおう!」
 
慶次
「んで、俺が門番、ってわけだ。どうする?」
稲姫
「力づくでも・・・・・・押し通ります!」
慶次
「そうこなくっちゃな! さあ、始めようぜ!
 俺の負け、か! 門番は去るのみ、だねえ」
秀吉
「稲殿、もうやめんか? 戦は誰も望まぬ・・・・・・」
稲姫
「今、戦をやめても、訪れるのは偽りの泰平・・・・・・
 私はここで、悔いを残したくない!」
秀吉
「戦に負けて、勝負に勝つ。これが、わしらしいがね」
榊原康政
「殿、お待たせしました! ここより先は行かせん!」
忠勝
「戦場の勇が雌雄を決する時代は終わった」
稲姫
「そして、日々という名の戦いが始まる・・・・・・
 父上、稲は・・・・・・弓を置きます」
 
 
5A「上田城防衛戦」(1600)
 
徳川軍は少数にて勝利を収めた。
 
だが、秀吉は信雄を懐柔。和睦を果たし、
天下人の座を手にした。
 
ここに戦乱の終わりを見た稲姫は、
真田幸村の兄、信之に嫁ぎ、弓を置いた。
 
数年後、秀吉が死去。
家康が天下取りへと動き出す中、新たな
戦乱の大種が生まれ始めていた。
 
「殿、父上、そして泰平の世。
 私は、全てを守ります!
 大切なものは、ここに!」
 
ムービー
 
真田軍兵士
「おー!」
幸村
「お館様、見ていて下され」
忠勝
『戦場の勇が雌雄を決する時代は終わった』
稲姫
「父上。私は、もう一度だけ弓を取ります」
くのいち
「へー。やっぱ弓取るんだー。
 やっぱ泰平に埋もれたくないもんね~。
 幸村様に呼応して家康を討とうよー。
 また乱世が来るから♪
 これが最後の機会よん?」
稲姫
「この戦いが終われば、私はまた弓を置きます」
くのいち
「でも戦場を感じたら、体が反応しちゃうんじゃん♪」
稲姫
「であれば。そんな私と・・・・・・戦います」
 
真田昌幸
「嫁御殿自らの出迎えとは、殊勝なことである
 早速、孫の顔を見せてはくれぬか?」
稲姫
「乱を望む御本心は、隠し切れぬものですね
 甘言を弄しても、城に入れるわけにはいきません!」
幸村
「さすがは義姉上。本多忠勝の娘の意地、ですかな
 ならば、私は真田の意地をお見せいたそう!
 北が手薄だ! 北から攻めよ!
 敵は疲れているぞ! 攻め続けよ!」
くのいち
「いなち~ん、ダメだよ。家族は大切にしなきゃ♪」
 
イベントムービー
 
くのいち
「いなちん、いい顔してるよん
 戦ってるアンタはさあ」
 
幸村
「義姉上の魂は、昔の戦場で感じたままのもの・・・・・・
 ならばその魂、この槍で打ち砕いてみせましょう!」
くのいち
「戦えないいなちんは、ただのいなちんよ!
 だから、何度でも戦って、ア・ゲ・ル。にゃは!」
真田昌幸
「このようなところで、てこずるわけにはいかん!
 全軍進め! 必ずや徳川の天下を覆すのだ!」
稲姫
「抑え・・・・・・きれない・・・・・・?
 こんなところで、負ける・・・・・・わけには・・・・・・
 父・・・・・・上・・・・・・」
忠勝
「本多平八郎忠勝、助太刀に参った!
 これよりこの地を修羅と化す! 剋目せよ!」
稲姫
「父上・・・・・・来て、くださったのですね・・・・・・」
 
エンディング稲姫“守るべき泰平”
 
くのいち
「アンタ・・・・・・ずるいよ。
 泰平の世になったら、
 アンタだってこうなるんだよ。
 これは、アンタの未来だよ?」
稲姫
「それでもいい。
 そのかわり、
 戦いでは満たせなかった何かが満たされる。
 だから、私は弓を置く」
くのいち
「アンタ、本当に強いんだ。
 アタシは、あの感覚を忘れられる自信・・・・・・ないよ」
稲姫
「大丈夫。私だって自信ない。
 けどね。
 人は強いんじゃない。
 強くなっていくのよ・・・・・・!」
 
 
4B「山崎の戦い」
 
かろうじて追っ手を退けたものの、家康は
三河への撤退に失敗した。
 
徳川軍は織田の残兵を集めながら態勢を
立て直さんとする。
 
だが明智軍は再び疲弊しきった徳川軍を
追撃。山崎にてこれを捉えた。
 
圧倒的不利な戦況の中、更なる敵が徳川軍に
迫っていた。
 
「明智、羽柴、自分自身。
 私は、誰と戦えば・・・・・・。
 参ります」
 
ムービー
 
稲姫
「私の、せい。
 私が戦に溺れ、足手まといになった。
 父上たちも、光秀の軍を振り切れなかっ・・・・・・」
忠勝
「迷っている間などない。
 やがて西より秀吉が来よう。
 殿と光秀をもろともに討ち、天下を手にせんがため。
 我らで、それを討ち果たす」
稲姫
「けれど、私はまだ・・・・・・!」
忠勝
「戦はお前の都合など聞かぬ。行くぞ!」
 
徳川家康
「兵は疲れ切っておる。前へ出ず、守りに徹せよ
 天王山を固め、敵を一人も入れてはならぬぞ!」
稲姫
「あの時、私が戦いを望んだから・・・・・・こんなことに?」
忠勝
「愚問。今お前は戦の中に在る。それだけのこと」
光秀
「第二陣、かかれ!
 天王山を包囲し、徐々に追いつめるのです!」
孫市
「この前は仕留め損なったけどな
 俺にはこの銃が全てなんだ・・・・・・借りは、返すぜ
 姫君、婿殿は見つかったかい?
 なんなら、俺の姫君になる手もあるが、どうだい?」
稲姫
「・・・・・・どうせ、その姫君はたくさんいるんですよね
 あなた・・・・・・少しそこに直りなさい!」
光秀
「戦に負けては、全てが水泡に帰します
 秀吉が来る前に、何としても家康を討つのです!」
秀吉
「光秀! 信長様の仇、覚悟するぎゃ!
 ここにおるのはみんな敵じゃ・・・・・・逃がすなよ」
稲姫
「敵は明智軍ではないの・・・・・・?」
忠勝
「愚問。天下を狙う秀吉の戦に、誤りも惑いもなし!」
慶次
「この時を待ってたぜ、忠勝殿! 死合おうか!」
忠勝
「参れ、慶次! 貴様の全て、その武で見せよ!」
稲姫
「私は・・・・・・ずっと、父上を見てきました・・・・・・
 父上は決して戦に惑わない・・・・・・見失わない
 私は、もう一度・・・・・・取り戻します、父上!」
秀吉
「こ、ここは一旦退こみゃあて!!」
徳川家康
「秀吉め、あれほど攻撃しておいて逃げるとはな」
稲姫
「殿、戦場に立つからには、それなりの覚悟が必要です
 秀吉にもその覚悟があるのか、問いただしましょう」
 
 
5B「大坂城攻略戦」
 
徳川軍は明智、羽柴両軍を撃退。信長の仇を
討ち、天下人に名乗りを上げた。
 
数年後、家康は天下平定を完成させるべく
秀吉に対し軍を興す。
 
これより先、秀吉は大坂城を築き、徳川の
動きに備えていた。
 
最終決戦の火蓋が今、切って落とされようと
していた。
 
「父上、私、そして・・・・・・この命。
 私は、全てを受け容れたい。
 命・・・・・・果つるまで」
 
徳川家康
「秀吉がいる限り、徳川の天下はありえまい
 もはや待つ時ではない。秀吉と雌雄を決するぞ!
 真田丸の大筒を止めねば、大坂攻めはままなるまい」
稲姫
「私の戦いの意味・・・・・・戦いの果てにあるもの・・・・・・
 私は、見出せるのかな・・・・・・」
忠勝
「先陣は拙者が救う! それまで持ちこたえよ!」
秀吉
「娘を餌に釣られるたあ、おみゃあも焦っとるなぁ!」
稲姫
「父上は徳川の至宝。死なせるわけにはいかない!
 必ずや、私の手で父上を救ってみせます!」
幸村
「城に気を取られたか! 本陣が隙だらけだぞ!」
くのいち
「これぞ、忍法がら空き本陣奇襲の術~」
稲姫
「そのようないい加減な名前の術、破ってみせます!」
秀吉
「でかしたで、幸村! わしらも続くで!」
幸村
「なるほど、研鑽を積まれたようですね。では・・・・・・
 忠勝殿の娘御ではなく、一顧の武士として勝負!」
稲姫
「もとよりそのつもりです! いきます!」
くのいち
「戦ってるいなちんってば、ス・テ・キ♪」
稲姫
「ありがと。あなたも奪うだけの戦いをやめれば
 きっと素敵になれると思うけど・・・・・・」
くのいち
「えっ? あたし今素敵じゃないの? そんな・・・・・・」
慶次
「おうおう! 戦らしくなってきたねぇ!
 前田慶次、出陣いたす!
 あんたぁ、だんだん親父さんに似てきたな」
稲姫
「腕の方も、近づければよいのですが・・・・・・未熟です」
慶次
「未熟なもんか。ま、やってみりゃわかるさ!」
徳川家康
「残るは秀吉だけだ。引導を渡してやれ!」
秀吉
「これ以上は進ません! これでも食らえ!
 わしの自慢の鉄砲隊が全滅だぎゃ・・・・・・」
 
稲姫
「私の戦いの意味・・・・・・言葉にはならないけど・・・・・・
 私の弓から伝わってくる。だから、私は戦える!
 上の柵を弓で射落とせば、詰所を潰せるのね
 私の腕なら、あのくらい余裕・・・・・・よね?」
慶次
「あんたも強くなったもんだ・・・・・・だが
 もう、引き返せないんだぜ? いいのかい?
 戦の道は修羅の道・・・・・・命の奪い合いだぜ・・・・・・」
稲姫
「慶次様・・・・・・最後までその力を誇ることもせず
 激しく、しかし優しく私に預けた・・・・・・
 あなたと刃交えたこと・・・・・・私は誇りに思います」
 
稲姫
「忍びの気配・・・・・・また、あなたね」
くのいち
「残念、は~ずれ~♪
 頑張ってホントのアタシを探してねン♪」
幸村
「感じる。一段とあなたの魂が猛っているのを・・・・・・
 互いの魂を以て生死、決さん! 参られよ!」
稲姫
「幸村様・・・・・・あなたの言葉はいつも真剣だった
 自分の魂を言葉にしないと不安だったのね
 大丈夫。何も言わなくともその志は今私の中に・・・・・・」
 
孫市
「姫君・・・・・・あなたも、覚悟を決めてしまった、かな?
 いい男といい女、悲劇の決着をつけようか」
稲姫
「孫市様・・・・・・人にも、そして己にも優しいお方だった
 それゆえ、己の言葉を何一つ発せず、逝かれた・・・・・・
 貴方の下さった切ない命、私の内で育まれましょう」
 
くのいち
「アタシって、こう見えてもしつこかったりして
 いなちんの腕に抱かれて眠る・・・・・・シ・・・・・・アワセ・・・・・・」
忠勝
「遅かったな。あとは任せよ」
稲姫
「いいえ、私も参ります」
忠勝
「・・・・・・手助けはせぬ。一顧の武士として、来い」
 
稲姫
「秀吉、逃がしません! これで終わりです!」
秀吉
「親子ともども、返り討ちだぎゃあ!」
忠勝
「見事であったな、稲」
稲姫
「父上・・・・・・」
 
エンディング2稲姫“捨てられぬ命”
 
忠勝
「お前の戦いの意味は見えたか?」
稲姫
「戦いの彼方に何も見出せず、
 散る命を嬉しげに逝かれた方。
 戦いの此方に残したものに惑い、
 果つる命を無念と逝かれた方。
 それは戦場に立つべき高みになかった命かもしれません。
 ですが、これは乱世。
 運命と戦場に散る命。
 それは皆、尊いものであったと。
 私はそうした命を送り、迎えるだけです」
忠勝
「忠勝が戦場に果て、逝くときも?」
稲姫
「はい」
忠勝
「頼むぞ・・・・・・」


お銀氏提供

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